【会話で学ぶ】歌の伴奏に勢いを付けるには?短い和音と休符の置き方

クマニコル:歌に勢いを付けたくて、旋律の音が変わるたびに伴奏の和音も鳴らしているんですが、全部を追う必要はありますか?

リムコフ博士:全部を追う必要はない。歌の要所にだけ短い和音を置き、その間を休符にする方法がある。歌が動き続けていても、伴奏は「鳴らす・休む」を繰り返せるのじゃ。どの音を強調したいかを選んでみよう。

歌は進み、伴奏には休符がある

『管弦楽法の基本』第1巻「弦楽器による和声」では、メロディの一部に和音を加えてアクセントやリズムを強調する例として、第2巻No.99『雪娘』を挙げています。以下はその譜例の冒頭3小節です。伴奏を薄くするための一般的な対処ではなく、歌のどの瞬間を押し出すかに注目して読みます。

『雪娘』のクーパヴァの歌に対して、管弦楽がアクセント付きの短い和音と休符を交互に置く、第2巻No.99。
『管弦楽法の基本』第2巻 No.99『雪娘』、原書107頁上段。(画像を押すと拡大)

クマニコル:中央の Koupava が歌ですね。上の管楽器も、下の弦も、同じ場所で休んでいます。

リムコフ博士:最初の小節を見よう。歌の四つの音のうち、伴奏が鳴るのは最初と三つ目に当たる位置じゃ。その次の歌の音では、伴奏側に休符がある。第二小節でも同じ配置を使っている。歌の音があることと、和音を鳴らすことを一対一にしておらん。

クマニコル:つまり、歌の二つ目と四つ目まで和音で埋めないことにも意味があるのですね。

リムコフ博士:そうじゃ。伴奏が鳴る場所にはアクセント記号と fがある。短い和音を置く位置と、音を切る位置の両方でリズムを作っているのじゃ。音量だけを強くするのとは、違う選択になる。

どの楽器で和音を鳴らしている?

クマニコル:このような強調は、弦だけで行うのでしょうか?

リムコフ博士:この例では、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンと弦が同じ発音の位置に参加している。第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラはそれぞれの音を受け持ち、チェロとコントラバスは低い線を担当する。各パートが一人で大きな和音を弾く、という意味ではないぞ。

クマニコル:和音だから各奏者に重音を書かなければいけない、と思っていました。

リムコフ博士:複数の声部が合わさって和音になればよい。この譜例の弦を見ると、各段は短い単音を置いている。全体で和音を作ることと、一人が重音を弾くことは別なのじゃ。弦の各段だけでなく、木管とホルンの音も合わせて縦に読むとよい。

休符を埋めると、何の選択が変わる?

クマニコル:同じ和音を伸ばしておけば、より力強く支えられませんか?

リムコフ博士:長く支える伴奏にしたいなら、それも別の考え方になる。だが、この例のように特定の発音を区切って強調したいとき、休符を持続音で埋めてしまうと、次の和音との区切りを失う。構成音が同じでも、鳴っている時間が変わるのじゃ。

クマニコル:歌が動くたびに伴奏を加えた場合も、強調する位置が変わりますね。

リムコフ博士:その通り。音を加えるなら、足した場所も同じ強さで押し出したいのかを考えよう。勢いを付けるために、すべての音を均等に厚くする必要はない。まず歌のリズムから、和音を合わせたい位置を選ぶのじゃ。

自分の歌の伴奏へ応用するとき

クマニコル:実際に書き直すときは、どう確かめればよいでしょう?

リムコフ博士:歌を変えずに、伴奏が入る位置だけを先に決めてみよう。次に、発音のあとで切るのか、次まで保つのかを決める。それから必要な和声音を弦や管へ割り振る。この順なら、何のために楽器を足すのかがはっきりする。

クマニコル:この譜例と同じように、必ず一つおきに鳴らせばよいのですか?

リムコフ博士:そこは歌のフレーズ次第じゃ。ここでは実際に一つおきの位置を強調しているが、それをすべての旋律へ当てはめる規則にはできん。また、静かに滑らかに支えたい場面と、この f のアクセントを付ける場面は目的が違う。選びたいのが連続した背景なのか、区切られた強調なのかを見よう。

クマニコル:和音の数を増やす前に、どの言葉、どの音を押し出すかを決めてみます。

出典:『管弦楽法の基本』第1巻「弦楽器による和声」、第2巻No.99。画像は提供されたPDFの譜例を直接切り出したものです。発音位置と楽器の分担は掲載譜例の分析、書き直しの順序はそれをもとにした学習上の整理です。

奏法上の違いを確認したい場合は、弦の短い和音を、そのまま長く伸ばしてもいい?も参照してください。

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