【会話で学ぶ】ピッツィカートの伴奏が途切れて聞こえるとき、和音をどう支える?
クマニコル:チェロとコントラバスをピッツィカートにすると、音の間で和音まで途切れる感じがします。全部を弓奏に戻すしかないでしょうか?
リムコフ博士:短い低音を残しながら、別の声部に長めの音を受け持たせる方法がある。『雪娘』の例では、低い弦のピッツィカートと、管楽器やヴィオラの声部が異なる音の長さを持っている。誰がリズムを作り、誰がその間を支えるかを分けてみよう。
『雪娘』No.94で、短い低音と長い声部を分けて見る
『管弦楽法の基本』第2巻No.94は『雪娘』の練習番号219です。第1巻「三群の混合」では、第一・第二ヴァイオリン、クラリネット、トランペットによる旋律の重複例として挙げられています。この記事は同じ譜例を、ピッツィカートを含む伴奏の組み立てという別の観点から分析します。

クマニコル:下の二段、チェロとコントラバスには、両方とも pizz. とありますね。
リムコフ博士:ただし、同じ音型ではない。上の組段の最初の小節では、チェロは変ロ音と、その上のヘ音を八分音符で交互に弾く。二つの高さは完全五度の関係じゃ。コントラバスは低い変ロ音を八分音符で弾き、その後に八分休符を置く形を繰り返している。
チェロが四回弾いても、コントラバスは二回
クマニコル:チェロのヘ音のところでは、コントラバスが休むのですか?
リムコフ博士:この最初の小節ではそうなる。チェロは四つの八分音符で動き、コントラバスは二つの打点と休符になる。なお、コントラバスは記譜より一オクターブ低く響くので、チェロの低い変ロ音と同じ譜面上の位置でも、実際の高さまで同じではない。
| 最初の小節の担当 | 具体的な書き方 | 分担 |
|---|---|---|
| チェロ | 変ロ音―ヘ音―変ロ音―ヘ音の八分音符、pizz. | 二つの高さを往復する動き |
| コントラバス | 変ロ音の八分音符―八分休符を二回、pizz. | チェロの低い音に対応する打点 |
| ファゴット | a 2で、チェロと同じ八分音符の形 | 管楽器でも動きを支える |
クマニコル:コントラバスの休符を埋めなくても、チェロとファゴットは動いているのですね。
リムコフ博士:そうじゃ。一つの楽器が休むことと、伴奏全体が止まることは違う。ただし、これだけでは長い和声の支えを説明し切れない。次に、細かく動かない声部も探そう。
クラリネットの下声、ヴィオラ、金管の長い音を読む
クマニコル:旋律を吹く管楽器の段にも、下向きの符尾の音があります。
リムコフ博士:クラリネットの段には、上の旋律とは別に下声がある。初めの休符の後、四分音符を中心に動く線になっている。ヴィオラにも四分音符を中心とする声部があり、細かな八分音符の低音とは違う時間の幅を持っているのじゃ。
クマニコル:トランペットの段の下側には、タイで結ばれた二分音符が並んでいますね。
リムコフ博士:そこも大切じゃ。旋律を受け持つ上声だけでなく、長く保つ下声が同じ段に記されている。楽器名だけを見て「トランペットは全部メロディ」と決めると、この支えを見落とす。なお、複数声部の表記を、一本のトランペットが同時に二音を出す意味に読んではいけない。
クマニコル:低い弦が短い音でも、周囲まで全員が短い音とは限らないのですね。
リムコフ博士:その通り。この例では、短く発音する低音、八分音符の運動、より長い内声、旋律が並んでいる。低音の余韻だけに、和音のつながりを全部任せているわけではない。
ピッツィカートを残すか、弓奏へ変えるかの判断
クマニコル:自分の曲で和音が途切れた感じがするときも、管楽器を足せばよいですか?
リムコフ博士:すぐに足す前に、どの音が消えたことで、何が足りなくなったのかを見よう。低音そのものを長く保ちたいなら、奏法や音価を考え直す必要がある。一方、短い低音のリズムを残し、内声のつながりが欲しいなら、別の声部へその仕事を配る案がある。
クマニコル:低音を伸ばしたいのか、和声のつながりを保ちたいのかを分けるのですね。
リムコフ博士:そうじゃ。No.94の配分をそのまま移す必要はない。旋律と低音を書いたうえで、その間の必要な声部を、どの高さで、どれくらい続けるかを考える。この手順は譜例を自作へ応用するための補足じゃ。全構成音を常に伸ばすという規則ではない。
最後まで全員を同じ長さで支えなくてもよい
クマニコル:下の組段の最後では、トランペットの下声が途中で休んでいます。
リムコフ博士:よく見つけた。その一方でヴィオラには二分音符があり、チェロの八分音符も続く。支え方は、フレーズの終わりでも声部ごとに違う。長い音を一つ加えて終わりではなく、その音が離れた後に何が残るかまで読むことじゃ。
クマニコル:ピッツィカートをやめる前に、動く低音と、その間を支える声部を別々に点検してみます。
リムコフ博士:それがよい。短い発音を望む箇所なら、その性格を保つ価値がある。必要なのが低音の持続か、内声の継続かを見分ければ、全部の弦を一律に変える以外の選択肢が見えてくる。
出典:『管弦楽法の基本』第1巻「三群の混合」、第2巻No.94。音名・音価・休符・声部分担は掲載譜例を読んだ分析です。自作での点検手順は学習上の補足であり、原典がこの伴奏を唯一の解決法として提示しているという意味ではありません。
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