【会話で学ぶ】チェロの旋律にきらめく伴奏を付けるには?フルート・ハープ・グロッケンの分担

クマニコル:チェロの旋律の上に、きらめくような伴奏を付けたいです。グロッケンで細かな音をずっと鳴らすのでしょうか?

リムコフ博士:それだけが方法ではない。高音の動きをフルートとハープに持続させ、グロッケンは短い音型でところどころ加える配分がある。さらに少人数のヴァイオリンを違う細かさで動かす。続く動きと、時折現れる金属的な色を分けるのじゃ。

『雪娘』の譜例では、チェロが入る前から高音が動いている

『管弦楽法の基本』第1巻は、第2巻No.9『雪娘』練習番号274を、チェロによる「装飾を伴ったメロディアスなフレーズ」の例として挙げています。ここでは、その旋律を囲む伴奏の配置を譜面から読み解きます。「きらめく伴奏」は編曲上の問いとして用いた表現で、原典本文の効果説明をそのまま引用したものではありません。

第2巻No.9。チェロの旋律、フルートとハープの反復音、2人の第1ヴァイオリンの細かな音型、短いグロッケンの挿入を示す総譜。
『管弦楽法の基本』第2巻 No.9『雪娘』274、原書14頁。(画像を押すと拡大)(画像を押すと拡大)

クマニコル:最初の段にはチェロがなく、二つ目の段から V-c. が出てきますね。

リムコフ博士:そうじゃ。まず高い反復音と低音が置かれ、その響きが続く中へ、チェロの旋律が p で入る。チェロの動きは、上の反復音と同じ形ではない。長く歌う音と装飾的な動きを持った、別の線として読むのじゃ。

フルートとハープは8分音符、ヴァイオリンはさらに細かく動く

クマニコル:フルートとハープは、どこを見比べればよいですか?

リムコフ博士:最上段の Fl. I と、Arpa の上の譜表を見よう。どちらも高低を行き来する8分音符の動きが続く。フルートの方が高く置かれ、ハープの上声も高音域で動いている。ここでのフルートはピッコロではないぞ。

クマニコル:その下のヴァイオリンも、同じ8分音符を重ねるのでしょうか?

リムコフ博士:2 Viol. I Soli、第1ヴァイオリンの2人という指定じゃ。ここには数字の6を伴う、もっと細かな音型が書かれている。フルートとハープの8分音符と、ヴァイオリンの細かい流れを同じ刻みにそろえてはいない。高音の伴奏の中にも、二つの動きの速さがあるのじゃ。

ここでの「2」は奏者数です。第1ヴァイオリン全員で演奏する指定でも、二つの声部へ分ける指定でもありません。また、音符で書かれた細かな音型を、単に「弦のトレモロ」と読み替えないようにします。

グロッケンは伴奏の動きを全部なぞらない

クマニコル:Campanelli がグロッケンですね。意外と休んでいます。

リムコフ博士:掲載された6小節では、1・3・5小節目を休み、2・4・6小節目の後半に短い2音の音型を入れている。強弱は pp じゃ。高音の細かな動きは、その休みの間もフルート、ハープ、ヴァイオリンが続けている。

クマニコル:グロッケンを休ませても、高い音の動きがなくなるわけではないのですね。

リムコフ博士:そこがこの配分の参考になる点じゃ。伴奏を動かし続ける仕事と、短く別の音色を加える仕事を分けている。グロッケンへフルートの反復音をすべて渡すと、この譜例とは発音の頻度も色の現れ方も変わる。短い挿入を選ぶか、連続させるかは、どちらを聞かせたいかで考えるのじゃ。

低音まで同じ速さで動かさない

クマニコル:高音にこれだけ動きがあるなら、低音も細かくすると一体感が出ますか?

リムコフ博士:この実例では違う分担をしている。コントラバスは pp の長い音をタイでつなぐ。ハープの低音は小節の初めに発音し、そのあと休符になる。上が動き続けていても、下は同じ細かさにそろえていない。

役割No.9での具体的な配分
独立した旋律途中から入るチェロ。長い音と装飾的な動き。
高音の反復第1フルートとハープ上声の8分音符。
さらに細かな流れ第1ヴァイオリン2人の、6の数字を伴う音型。
短い色の追加グロッケンの2音。間に休む小節がある。
低音の支えコントラバスの持続音と、ハープ低音の発音・休符。

これは今回の問いに関係する役割を抜き出した表です。実際の譜例にはティンパニ、途中からクラリネットも含まれています。表の楽器だけで総譜全体を再現できる、という意味ではありません。

自分の編曲では「続ける動き」と「時折加える色」を先に分ける

クマニコル:この例は、どんな場面で応用を考えるとよいのでしょう?

リムコフ博士:ゆっくり歌う旋律の周囲に高音の動きを保ちたいが、グロッケンを常に前へ出したいわけではないときじゃ。まず、続ける反復音を決める。次に、それと違う細かさの動きが必要か考える。最後に、グロッケンを加える場所を選ぶ。この順序なら、全部の楽器に同じ音型を配る必要はないとわかる。

クマニコル:高音の楽器を増やすだけでなく、それぞれがいつ、どんな速さで動くかを決めるのですね。

リムコフ博士:その通り。ただし、この例は Andante、四分音符69の静かな場面じゃ。奏者を増やし、全体を強奏に変えても同じ釣り合いになるとは限らない。チェロの旋律が聞こえるか、上の反復が別の主役になっていないかを確かめる。譜例から借りるのは、楽器名の一覧だけでなく、役割と時間の分担なのじゃ。

出典:『管弦楽法の基本』第1巻「弦楽器によるメロディ」のチェロの項目、第2巻No.9。伴奏の役割、掲載6小節内の参加位置、応用の手順は、実際の譜例をもとに整理した分析・学習上の補足です。音符・奏法・強弱指定は改変していません。

楽器そのものの性格を比較したい方は、チェレスタ・グロッケン・シロフォンは、どう選び分ける?をご覧ください。

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