全度数の自由な使用のために

これまで書いてきた規則の有用性を理解した学習者のため、より自由に和音を扱うための規則を少し付け足します。

§46-1. 六の和音でのみ減三和音を使用できる。
*ただしVIIの和音を基本形で次のように用いることもある。

§46-2. 副三和音は、主要三和音から三度下行する形で使用するのが最も良くみる形。ただし次のように三和音ばかり連続させる和声進行は進行感がかなり弱くなる。

§46-3. 三和音が三度上行した場合、次の和音は二度上行させる。

§46-4. バスを同音で保持して基本形の和音から六の和音に移る際は、強拍から弱拍に移るようにしないと進行感が弱くなってしまう。

いずれにせよ六の和音は基本形の和音の後に置かなければならない。また、基本的に弱拍から強拍へ移る際には和音の度数が変わるか変わらないかによらずバスは動くのが望ましい。

*§46-5. 第三音を重複したIの六の和音は、IIの三和音あるいはIIの七の和音(§29参照)、Vの二の和音、Vの三四の和音、のいずれかの後に置くことができる。

§46-6. II度を除き、副三和音を第一転回形で使う際は、同じ和音の基本形に続く形で使うのが良い。

*§46-7. 終止における四六の和音は、不完全になることがある。具体的には、根音を欠いて第五音を3つ重複する形となる。

§46-8. 副三和音の第二転回形は経過的に使うことができる(§39の注も参照)。

第二転回形の和音は、バスの音を共有する2つの同じ和音の間に置かれることもある。

バスが三和音を作るように動く場合には基本形と第一転回形の間に置くこともある。

§46-9. 長調においてII度とIII度が直接連結されることは非常にまれで、するとしても少なくともどちらか片方が転回形でなくてはならない。

§46-10. 属七以外の七の副和音、特に長七度を含む和音は、経過的に用いる(第七音を経過音とする)か、前の和音から共通音を準備しておいて使うかのどちらかとなる。

このような七の和音は、一度使うと属七の和音にたどり着くまで七の和音を使い続けることになる。しかし、七の和音が5つ以上連続する進行は良くない。短七及び減七の和音は転回形で使うことができ、主和音に解決する。

§46-11. 特別な状況では、三和音において第三音あるいは第五音の重複が必要になることもある。

§46-12. 増音程進行はいかなる場合にも許されない。減音程進行は下行時に使うのが望ましい。

§46-13. 連続長三度が避けられない場合もある。

ここでは特段の課題は設けませんが、今後の課題(特にコラール)において以上のような様々な度数の和音を自由に使うということを試してみましょう。


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