属七の和音(基本形)

課題No. 19

§36-1. 基本形の属七の和音は基本形のIに解決します。
§36-2. 第七音はIの第三音に解決させ、その他の声部は基本的な旋律的連結の規則に従って動かします。

§36-3. 属七の和音は4音全てを鳴らさなくとも問題ありません。その場合、第五音を省略して根音を重複します。
§36-4. 導音は主音に向かって上行しなければならないという規則に従うため、属七の和音が完全な4和音の場合には主和音が不完全に、属七に省略があり不完全な場合には主和音が完全な和音になります。

* 内声では導音の下行も許容されます。

§36-5. 属七の和音は、三和音のV度が置かれるのと同じところに置くことができます。

a) Iの和音(基本形でも転回形でも)の後。第七音には順次進行によって到達します。

注:例2のように、2つめが減五度になる形で連続五度が生じることがありますが、下行形では問題ありません。

b) 基本形および第一転回形のIV度あるいはII度の後。属七の第七音は直前の和音から和声的に連結し、これを第七音の予備と呼びます。その他の声部は旋律的連結の規則に沿って連結します。

IV度が基本形の場合は属七の和音は不完全でなければなりません。IV度が六の和音の場合は、属七は 完全でも不完全でも問題ありません。

c) 基本形のV度から属七に移ることもでき、この第七音には順次進行でも跳躍でも到達可能です。特にV度の根音から二度下行して第七音を作る場合、この属七を「経過的な属七の和音」と呼びます。その他の声部はそのまま保持しても動いても構いません。

注:減五度上行や短七度上行が現れることがありますが、問題ありません。

§36-6. 三和音のV度の場合と同じように、属七の和音もVI度(第三音重複)に進行して偽終止することができます。(§30参照)

注:この場合、属七の和音は原則として完全でなければなりません。属七を不完全とする場合、属七の根音を5度下行あるいは4度上行で跳躍させる必要があります。

課題No. 19の作例

属七の和音(転回形)

課題No. 20

§37-1. 転回形の属七はI度に解決し、第七音をI度の第三音に向けて動かします。
§37-2. 第一転回形(五六の和音)は主要三和音の後に置き、基本形のトニカに解決します。
*IIの六及びIVの六の和音の後に置くこともでき、この場合も基本形のトニカに解決します。

§37-3. 第二転回形(三四の和音)は主要三和音の後に置き、基本形のトニカに解決します。IIの六の和音の後に置くこともでき、この場合も通常は基本形のトニカに解決しますが、稀に六の和音に解決します(§37-5及び§46-5参照)。

§37-4. 第三転回形(二の和音)は主要三和音およびIIの六の和音の後に置き、Iの六の和音に解決します。

注1: IV度を二の和音の直前に置く場合、IVは基本形でなくてはなりません。上三声の動きに注意する必要があります。
*注2: 稀に二の和音が四六の和音の後に置かれることがあります。

§37-5. Iの後に転回形を置く場合、Iから属七にかけて一つの声部が四度跳躍することが許されます。ただし跳躍は1つの声部に限り、その他の声部は三度を超えて跳躍してはいけません。
*例外として第三音を奏する内声あるいはバスの四度跳躍が許されます。

§37-6. 属七の和音の転回形からの解決では、根音および第五音の跳躍(§25参照)も可能になります。

*外声に並達八度が現れるため、良くない。

§37-7. 基本形と転回形の属七の和音は、互いに第七音を共通音として保持して連結することができます。ただし第七音の保持が必要なため、二の和音はこの連結に含めることができません。

*例外的に、第七音と第五音(順不同)を入れ替える連結が可能です。

課題No. 20の作例

導七の和音:減五短七および減七の和音

課題No. 21

§38-1. 属和音と同じく、導七の和音(自然長音階では減五短七、和声的長音階および和声的短音階では減七)はトニカへの解決を求める和音です。
§38-2. 導音(根音)はトニカの主音に上行、第七音はトニカの第五音に下行させます。第三音と第五音は逆方向に進行し、Iの和音で第三音を重複します。

注:第三転回形(例d)は四六の和音にしか解決できないため、ここでは用いません。

*§38-3. どちらの和音も基本形、第一転回形、第二転回形で用います。減五短七の和音は第七音がメロディでなければなりませんが、減七の和音はどの音もメロディに持ってくることができます。
§38-4. 導七の和音は基本形のサブドミナントの後に置くか、基本形あるいは第一転回形のIIの和音の後に置くのが良いでしょう。いずれも、2つ(か3つ)の音を共通音として保持して和声的に連結します。Iの基本形から導七に移るのはこれより劣ります。

*VIIの五六の和音(第一転回形)は第五音を重複したIの六の和音と、VIIの三四の和音(第二転回形)は根音重複のIの六の和音とよくつながります。この場合、六度音程になっている3つの声部を平行に動かします。

課題No. 21の作例


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